Report

《 2019.5.15 》

ローカルルールの撤廃を 自民、介護の事務負担軽減で提言


《 戦略本部の事務局長を務めた小泉厚労部会長 》

現場目線で徹底した効率化を進めていくべきだと呼びかけている。

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自民党の「人生100年時代戦略本部」は14日、これから具体化を図っていく「社会保障改革ビジョン」をまとめた。
 
介護分野では人手不足の更なる深刻化を念頭に、現場の事務負担を軽減して生産性を高めていくことを1つの柱としている。ペーパーレス化の加速や関係書類の大幅な削減に加えて、自治体が独自に定めるローカルルールの“撤廃”も新たに打ち出した。今後、厚生労働省などに実現を働きかけていく構えだ。
 
介護の事務負担の軽減をめぐっては、同じく自民党の厚生労働部会のプロジェクトチームが先月、自治体ごとに異なる書類の形式を統一させていく検討を行うよう厚労省に求めていた。ローカルルールの撤廃を注文する今回のビジョンはさらにもう一歩踏み込んでいる。
 
厚労省は近く、社会保障審議会・介護保険部会のもとに新たなワーキンググループを設置する計画。当面の具体策を年内にまとめるとしており、その内容にも影響が及んでいくとみられる。
 

 “リバランス構想”を前面に

 

今回のビジョンには、「令和の時代には新しい『この国の形』の基礎となる社会保障改革が必要」「社会保障も時代とともに進化する必要がある」などと記載されている。
 
人生100年時代の到来、医療・介護ニーズの一層の高まり、生産年齢人口の急激な減少、個々人の生き方・働き方の多様化といった大きな構造変化に対応しつつ、制度の持続性を確実に担保していかなければならない − 。
 
そうした問題意識が根っこにある。年齢だけで「高齢者」「現役」などと分けるのをやめ、就労を阻害するあらゆる“壁”をなくして経済社会の担い手を増やしていくことで、「支える側」と「支えられる側」のリバランスを図る構想を描いた。
 
加えて、「特定の生き方や働き方が不利にならない『選択を支える社会保障』を目指す」「年齢ではなく負担能力(所得と資産)によって負担割合を決める範囲を拡大すべき」などとも明記した。
 
人生100年時代戦略本部の岸田文雄本部長は14日の会合後、「この方向性に基づいて具体的な政策をしっかり磨き上げる努力をしていく」と述べた。事務局長を務めた小泉進次郎厚労部会長は、「『支える側』と『支えられる側』の固定化した考え方を超えていかなければならない。今年の『骨太方針』などに反映されるよう取り組んでいく」と語った。