Report

《 2019.5.23 》

認知症当事者団体、介護の“軽度者切り”を批判 「本人の力を生かす発想と真逆」 


《 認知症関係当事者・支援者連絡会議 》

「要介護1、2の状態が軽いと思われているのかもしれない。実際、本人や家族にとって一番しんどい時期でもある」。そんな指摘もなされた。

広告

認知症の人を支援する団体が集まってつくる「認知症関係当事者・支援者連絡会議」が22日、厚生労働省内で記者会見を開いた。
 
「ともに生きるやさしい社会の実現」に向けた提言を発表。介護保険を所管する老健局の大島一博局長に手渡し、実現を強く働きかけたと報告した。「介護離職」を防ぐなど家族を支える意味合いも非常に大きいとして、訪問介護の生活援助をはじめとする在宅サービスを拡充すべきと訴えている。
 
この連絡会議は、「認知症の人と家族の会」など全国的な組織運動を展開している4つの団体で構成するもの。イベントの開催やウェブサイトの運営、施策の提言など、認知症に関する啓発や社会へのアピールを軸に活動している。
 
「認知症の人と家族の会」の鈴木森夫代表理事は会見で、要介護2以下の生活援助や通所介護などを市町村の総合事業へ移す案が財務省などから出ていることについて、「非常に警戒している。軽度者をどんどん切っていくという動きは、できるだけ本人の力を生かしていくという発想と真逆ではないか」と主張。「残念ながら介護保険はどんどん当初の理想から後退している。この矛盾はしっかり言っていきたい」と述べた。
 

 介護職の報酬増も要請

 

今回の提言ではこのほか、「要介護認定には認知症の症状や困難度を加味する項目が少なすぎる」「認定調査のスクリーニング項目や主治医意見書のチェック項目がアルツハイマー型認知症に偏重しており、レビー小体型や前頭側頭型などの症状を拾い上げる項目がない」などと問題を提起。早急の改善を求めている。
 
また、「介護職は専門性の高い職業。その対価としての報酬を医療従事者などと同レベルに上げ、尊厳を高めること」も要請している。