Report

《 2019.5.29 》

介護予防の“通いの場”、どう展開? 厚労省、具体策の検討本格化 民間との連携も


《 27日の有識者会議 》

要支援・要介護と認定される前の高齢者も幅広く対象とする介護保険の「一般介護予防事業」について、厚生労働省はより効果的に展開していくために制度の見直しに乗り出した。

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体操などの“通いの場”を改良することが大きな柱。最重要課題と位置付ける健康寿命の延伸に向けて、参加者の増加や機能の強化につながる具体策を立案する。
 
新たに設置した有識者会議を27日に始動させた。
 
専門職にどう関与してもらうか、自治体向け、あるいは個人向けのインセンティブをどう設定するかなどが論点。高齢者の関心を引きつける魅力的なコンテンツが生まれると睨み、スポーツジムやカフェなど多様な民間事業者にコミットしてもらう仕掛けも設けたい考えだ。
 
第1回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会資料
 
夏までに施策のアウトラインを固め、秋以降に細部を詰めていく計画。年末までに取りまとめを行い、社会保障審議会・介護保険部会へ報告する。2021年度に控える次期改正の目玉の1つになるとみられる。
 

 参加率、まだ5%

 

介護保険の「一般介護予防事業」は、市町村がそれぞれ運営している「地域支援事業」の一環。65歳以上の全ての住民を対象とし、ニーズの把握や普及啓発、地域作りなどが実践されている。体操などの“通いの場”はメインメニューの1つだ。
 
厚労省によると、2017年度の時点で“通いの場”を開催している市町村は全体の86.5%に至っている。その数は全国で9万1059ヵ所にのぼっており、以前と比べてだいぶ普及してきたと言える。
 
ただし、高齢者の参加率は4.9%と低い水準のまま。これを引き上げていくこと、なるべく頻度を高めてもらうことが重要な課題となる。厚労省は「自治体間のバラつきが大きい」との問題意識も示す。交付金によるインセンティブの強化などで取り組みの底上げを図る構えだ。
 
医師や保健師、栄養士、リハ職などにもっと力を発揮してもらい、サービスの専門性を向上させることも重要な課題となる。今月15日には国会で関連法が成立。後期高齢者医療制度の事業と連動させたり、保険者間で情報を円滑に共有したりする環境も整っている。
 
27日の有識者会議は、委員どうしのフリーディスカッションがメインだった。厚労省は現状を整理したうえで、「“通いの場”の推進方策をどう考えるか?」などと意見を求めただけ。まだゼロベースで様々な可能性を検討している段階、という態度を崩さなかった。次回の会合は6月の予定。そこで論点がもう少し絞られれば、具体策の輪郭くらいは見えてきそうだ。