Report

《 2019.5.30 》
= 2040年を展望した改革本部 =

“通いの場”の参加率、来年度までに6%へ 「健康寿命延伸プラン」策定 厚労省


《 2040年を展望した改革本部 29日 》

高齢者の急増と現役世代の急減という未曾有の事態に直面する将来に備えて社会保障をどう改めていけばいいのか? 厚生労働省が2040年までを視野に入れた構想を29日にまとめた。

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基本コンセプトは「誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」。施策の3本柱として、「多様な就労・社会参加」「健康寿命の延伸」「医療・福祉サービス改革」を位置付けた。厳しい財政やマンパワーの不足が念頭にある。給付と負担の見直しによる各制度の持続性の確保にも努めるとしたが、これはまだ具体的な中身に踏み込んでいない。
 
2040年を展望した社会保障・働き方改革本部 資料
 
このうち「健康寿命の延伸」については、当面の施策や工程表を盛り込んだ「健康寿命延伸プラン」を新たに打ち出している。2040年までに健康寿命を男女とも2016年比(*)で3年以上伸ばす、との数値目標を明記。病気や介護の予防、フレイル対策、認知症の予防などに力を入れる姿勢を改めて明確にした。
 
* 2016年の健康寿命は男性が72.14年、女性が74.79年。
 

 インセンティブ交付金を活用

 

具体策の目玉の1つは、介護保険の地域支援事業で展開している体操などの“通いの場”の大幅な拡充だ。2017年度の時点で4.9%にとどまっている高齢者の参加率を、2020年度までに6%へ引き上げるという数値目標を始めて掲げた。保健師や栄養士といった専門職がコーディネートにあたるなど、後期高齢者医療制度の保健事業と一体的に運営するスタイルを2024年までに全ての市町村へ普及させる、との目標もあわせて提示した。
 
これらを達成するツールとして、自治体の努力や成果に応じてその多寡を決める「インセンティブ交付金」を用いる方針。“通いの場”の開催を重点的に評価することにより、市町村などに積極的な取り組みを促していくと書き込んでいる。
 
認知症の予防に向けては、エビデンスを確立するために関連する研究をさらに推進していくという。先進・優良事例を全国から収集し、現場で役立つ事例集やガイドラインを作成する意向も明らかにした。
 
健康寿命延伸プランにはこのほか、「健康支援型」の配食サービスの推進やナッジを活かした健診の受診勧奨、効果的な歯科健診の実施なども盛り込まれている。厚労省はこれらを、今夏の「骨太方針」や成長戦略に反映させるべく調整していくと説明した。