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《 2019.6.1 》
= 介護保険最新情報Vol.730 =

介護事業所への実地指導で新運用指針 確認項目を絞り込み標準化 厚労省


《 介護保険最新情報Vol.730 》

現場の負担を軽くして実施率を高めていく狙いがある。

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厚生労働省が介護保険のサービスを提供する事業所に対する実地指導の運用指針を新たに策定した。
 
従来より数を減らした「標準確認項目」と、それを確かめるための「標準確認文書」を規定。特別な事情がある場合を除き、これら以外のチェックは原則として行わない決まりとした。サービスの質の担保や利用者の保護といった観点からとりわけ重要なものだけに限定した形だ。
 
全国の事業所に影響が及ぶことになる。厚労省は5月29日までに新たな運用指針を各自治体へ通知。今後はこれに沿って実地指導に取り組むよう指示した。30日に出した介護保険最新情報のVol.730で広く周知している。
 
介護保険最新情報Vol.730
 

「より多くの事業所に入って」

 

厚労省は以前から、指定の有効期間(6年間)のうちに少なくとも1度は実地指導に入るよう自治体に要請してきた。ただし、これをなかなか実現できていない、あるいはかなり難しくなってきているところも少なくない。事業所の数は増え、サービスの形態は多様化し、担当課が担うべき役割は拡大している。国がチェック項目を絞り込み、それをスタンダードな形として改めて提示した背景だ。
 
目的は効率化にある。自治体ごとに手法が異なる現状を改めること、目標とするペーパーワークの半減につなげること、事業所側の負担を軽くすることも当然念頭にある。「今回の対応でチェックされなくなる事柄も出てくるが、より多くの事業所に入ることが重要」。厚労省はそう説明する。そもそも実地指導を全く受けない事業所が増加してしまうよりはまし、と判断したという。
 

 優良事業所は集団指導のみも

 

新たな運用指針は、代表的な7サービスの標準確認項目・標準確認文書を定めるもの。いずれの標準確認項目も、国がもともと示していた「主眼事項・着眼点」より大幅に数が少ない。
 
7サービスの標準確認項目・標準確認文書は以下のリンクで。
 
訪問介護
 
通所介護
 
特養
 
居宅介護支援
 
老健
 
グループホーム
 
訪問看護
 
厚労省は他のサービスもこれを参考にチェック項目を設定すべきとした。不正が疑われるなど詳しい確認が必要なケースに限り、さらに踏み込んだ調査を実施するよう呼びかけている。
 
実地指導の頻度はこれまで通り、「指定の有効期間のうちに最低でも1回」とした。加えて、「過去の実地指導で事業運営に特に問題がないと認められる事業所の頻度を緩和し、集団指導のみとすることも検討すること」と勧めている。所要時間をできるだけ短くすること、近隣の事業所を同じタイミングで済ませることなども必要だとした。
 

 直近の実績で確認を

 

厚労省は事業所側の負担にも配慮。実地指導に入る旨を1ヵ月前までに伝えることをルール化した。現地で確認する書類は、原則として前年度から直近の実績を示すものとするよう促している。ケアの質を確かめるために記録などをチェックする場合は、基本的に3名以内に留めるよう要請。ただ居宅介護支援については、ケアマネ1人あたり1名〜2名の利用者の記録を確認するよう求めている。
 
厚労省はこのほか、
 
○ 担当職員の主観に基づく指導や、前回と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意する
 
○ 高圧的な言動は控え、より良いケアを促す助言などについて事業者との共通認識が得られるよう留意する
 
○ 事業所の対応者は必ずしも管理者に限定することなく、実情に詳しい職員や労務・会計担当者らが同席することは問題ない
 
なども指導している。