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《 2019.6.10 》

厚労省、介護現場革新へ全国7ヵ所でパイロット事業開始 ノウハウを横展開へ


《 介護現場革新会議で挨拶する根本厚労相 6日 》

厚生労働省は今年度、介護現場の生産性の向上に向けたパイロット事業を全国7ヵ所で実施する。

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6日、特養や老健、グループホームなどの事業者団体が参画する「介護現場革新会議」を開催。選定した7自治体から事業内容の報告を受け、相互に連携して取り組みを展開していく方針を確認した。「今日がキックオフ。年度末までに一定の取りまとめをしたい」。老健局の担当者は記者団にそう説明した。
 
介護現場革新会議(第4回)資料
 
パイロット事業の成果を全国に横展開していく考え。今年3月に初めて策定・公表した「生産性向上ガイドライン」をアップデートすることなどにより、得られたノウハウを広く普及していく計画だ。
 
この日の会合に出席した根本匠厚労相は、「介護現場の革新は中核の施策の1つ」と挨拶。「新たな時代にふさわしい工夫にあふれた事業となることを期待している」と呼びかけた。
 

 イメージ改善にも挑戦

 

介護現場革新会議は今年3月、高齢者の急増と現役世代の急減が同時に進む今後を見据えた「介護現場革新プラン」をまとめている。
 
人手不足に対応した新たなマネジメントモデルの構築が柱の1つ。施設などの業務を細かく切り分けたうえで、必ずしも高い専門性を要しないものを“元気高齢者”などに任せていく形を広げる計画を掲げた。こうした役割分担とロボットやセンサー、ICTなどの活用をセットで進めていくことで、サービスの質の維持や職員の負担軽減を図る構想を描いている。加えて、人材の確保・定着に向けて業界のイメージを改善する施策を強化することも盛り込んだ。
 
今年度のパイロット事業では、7つの自治体が実際にこれらを行う。事業者団体などからの後押しも受けて、現場でうまくワークする手法や成果の出るメソッドをそれぞれ探っていく。
 
例えば三重県では、介護助手をどう配置すればより効果的に活躍してもらえるかを検証する。また熊本県では、地元の福祉系高校と協力して中学生に介護の魅力を伝える試みをするという。
 
老健局の大島一博局長は7日に都内で行った講演で、「全体として人手が足りないなかで、サービスの質を低下させないために何ができるのか。全国の事業所で取り組める形を皆で考えていきたい」と述べた。