Report

《 2019.7.8 》

【科学的介護】2021年度からエビデンスを本格収集へ 厚労省、新加算の創設も


《 4日の有識者会議 》

いわゆる「科学的介護」をめぐる新たな動き。そのコアをなすエビデンスを蓄積していく目的で整備するデータベース「CHASE」について、厚生労働省が初期仕様で収集すべき情報の種類を選定した。4日の有識者会議で案を出し、専門家で構成する委員から大筋で了承を得た。

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実務を担う現場にかかる負担に配慮。客観的な測定が可能で、多くの事業所が既に収集を行っていたり、報酬上の評価の要件となっていたりするものを中心とした。その必要性・重要性も勘案し、収集すべき情報を大きく以下の3項目に分類している。
 
 基本的な項目=できるだけ多くの事業所で入力されるべき項目
 
 目的に応じた項目=加算の対象となる事業所で入力されるべき項目
 
 その他の項目=各事業所で任意に入力できるようにすべき項目
 
第9回科学的裏付けに基づく介護に係る検討会資料
 
このうち「基本的な項目」は30種類。性別や身長、体重、食事の形態・摂取量、既往歴、服薬情報、Barthel Indexなどが含まれている。
 
厚労省は今後、こうした項目を実際に集めていくモデル事業を開始する。システムのチェックやフィージビリティの検証を重ね、来年度には「CHASE」の本格稼働にこぎ着ける計画だ。
 
全国の事業所が情報の提供を求められるのは2021年度からとなる。「義務化ではなくあくまで任意」。厚労省はそう説明する。次の報酬改定のタイミングで、加算の創設など新たなインセンティブ措置を導入する方針だ。これに対応していかないと、ゆくゆくは経営面のデメリットが大きくなる可能性が高い。
 

 個別機能訓練加算などが対象

 

4日に選定された「基本的な項目」は、結果として多くの事業所が「CHASE」へ提供していくことになる見通し。身長と体重には、「容易に計測できる場合のみ」という条件が付いている。「取得している加算の様式例に含まれる場合のみ」という前提で、「本人の意欲」や「食事の留意事項の有無」、「他職種による栄養ケアの課題」なども盛り込まれた。
 
「目的に応じた項目」は、特定の加算を算定している事業所のみが対象。例えば、特別養護老人ホームや通所介護の「個別機能訓練加算」などが想定される。内容は多岐にわたるが、どれも「任意で入力できるもの」「様式例に含まれる場合のみ」といった条件が付されている。
 
「その他の項目」には、収集のフィージビリティにやや不安があると判断されたものも入れられた。エビデンスとしての重要性は認められており、対応する事業所は加算などで相応の恩恵が得られるかもしれない。
 
こうした個々の項目は、今後のモデル事業を通じた検証などで変動・増減することがあるという。厚労省は報告書に、「現場の有識者などによる検討や実証的な研究を行っていく」と記載。報酬のインセンティブのあり方も、これらの結果を踏まえつつ審議会などで協議していくとした。