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《 2019.8.5 》

エス・エム・エス、介護のM&Aサービス開始 カイポケのデータで高精度マッチング


報酬の引き下げや人手不足、競争の激化などで経営環境が一段と厳しくなっている介護業界。事業所の合併・買収への関心が高まっている機を捉え、情報サービス大手が新たな事業を打ち出した。

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エス・エム・エスは7月末から、保険請求や経営支援などの機能を有するクラウドサービスの「カイポケ」で「M&Aサービス」を開始した。精度の高い仲介・マッチングを行い、事業所の倒産の回避や多角化などを後押ししていくという。
 
介護業界向け「カイポケM&Aサービス」提供開始
 
個々の財務情報など「カイポケ」で収集できる多くのデータ、それを分析して得られる知見・ノウハウを基盤として展開する。介護職向けの求人・転職情報サイトやコミュニティサイトなどで培った幅広いネットワークも有効に使っていく。
 
着手金や中間手数料は無料とした。取り引き価格に応じた固定の完全成功報酬制。ミニマム100万円からの設定で、規模の小さな事業所の売買にも対応していく構えだ。
 

 問い合わせが10倍に増加

 

M&Aは国内全体で増加傾向にあるが、介護業界も例外ではない。事業を縮小していく、あるいは離脱していく会社と拡大を図る会社の2極化が顕在化し、以前よりニーズが高まってきている。
 
「経営が苦しい」「後継者がいない」。こうした悩みを抱えている事業者は少なくない。一方で、「多角化したい」「エリアを拡げたい」「利用者・職員を確保したい」などと目論んでいるところも多い。
 
エス・エム・エスは「M&Aサービス」を昨年11月から試験的に実施してきた。
 
執行役員事業開発本部長の福田升二氏は、「問い合わせは当初の約10倍に増えた。規模やエリア、業態にかかわらず様々なご相談を頂き、関心の高まりを実感している」と話す。今後については、「M&Aという手段を経営戦略の選択肢の1つとして広く認識して頂きたい。顧客の経営支援につながる文脈であれば、他機関との協業も前向きに検討していきたい」と語る。
 

 大規模ネットワークが強み

 

もっとも、実際に興味を持ってもあと一歩が踏み出せない事業者は多い。具体的にどう動けばいいのか分からなかったり、高額の手数料を支払う余裕がなかったりするところもある。M&Aが幅広いレベルでうまく機能してメリットを生んでいる、とはなかなか言えないのが実情だ。事業者が倒産や廃業に至ると、利用者がサービスを使えなくなったり職員が失業したりする弊害が出てしまう。
 
エス・エム・エスはこうした課題に着目した。
 
カイポケの会員数は在宅を中心に2万5000事業所あまり。求人・転職情報サイトなども含め、国内屈指の規模を誇るネットワークを持っている点が大きな強みだ。事業所の仲介・マッチングにあたっては、保険請求や勤怠、給与、労務、会計など様々なデータを活用。売り手と買い手、双方がウィンウィンのM&Aを下支えしていく。
 
このほか、事業者の資金繰りをサポートする「早期入金サービス」や求人・転職情報サイトによる採用支援などもあわせて提供する。専用サイトでは資料請求や無料査定が可能。手数料の詳細もここで説明されている。